2014年3月4日火曜日

クリスティ文庫(26)

 『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』、題名をみて『九マイルは遠すぎる』を連想した。
 九マイルの方は、この言葉から謎ときをするが、エヴァンズの方はその地方ではありふれた名前だったので手掛かりにならず、最後の方でほとんど謎が解けてからエヴァンズの正体がわかる。
 推理小説の感想で犯人やトリックを書くのはタブーだが、この作品ではエヴァンズの正体をばらすのがタブーだろう。
 クリスティの作品はユーモアがあって笑わせてくれる場合が多いが、この作品で最後に笑いたかったら、エヴァンズの正体を当てようとしない方がいいだろう。自分もまだ推理する手掛かりがないと思って何も考えずに問題の個所を読んだので、とても楽しめた。

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