『未完の肖像』、主人公の母親が、娘が現実の厳しさを知らずに不幸せな結婚をしてしまうのを心配してバルザックを読ませる。
主人公は結婚してから、お伽噺は結婚して幸せに暮らしましたで終わるが、現実の生活はその後も続くと思う。
ゾラを読んだらどうだろう。『夢』は現実に主人公が夢に描いたとおりの幸せな結婚をするが、主人公は結婚式当日に死んでしまう。不幸せな結婚生活を経験することはない。『パスカル博士』は好きな人と結婚して一時は経済的に行き詰まるかに思えたが、夫は病死し、残された子供と親子二人で暮らせるだけの財産が残っていることがわかる。結婚生活は短くして終わる。『ボヌール・デ・ダーム百貨店』は幸せな結婚生活を送るが、『ごった煮』に描かれる夫の結婚前の生活は、性道徳が全くないかのようだ。
幸せな結婚が一番だろうが、結婚して不幸になる危険を冒すのと、結婚せずに特に幸せにも不幸せにもならないのとどちらがよいと思うかは人それぞれだろう。
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