2014年2月1日土曜日

クリスティ文庫(9)

 ミス・マープルがどうして多くの殺人事件に関われるのか不思議だった。
 ポアロも探偵業を引退してから多くの事件に関わるので、やっぱり不思議だ。
 ただ、ポアロの方は引退してからの方が依頼人に報酬を払ってもらうという問題がなくなるので、逆に多彩な事件に関われるようになったとも言える。
 この問題は、小説の中の出来事が現実に起こり得ることかどうかに拘るから問題になる。
 作者がどんなに工夫しても、現実にはこれほどの偶然は起こり得ないと思う。
 『謎のクィン氏』は、その正体が最後まで謎で、なぜ解決すべき事件に毎度丁度よく現れるのかの現実的な説明は、完全に放棄されている。こんな方法もあったかと思う。
 もともと、小説はフィクション、現実と違っていても問題ないはずだ。というか、大人なら現実が小説のとおりではないことは、充分承知している。
 ただ、最近のテレビドラマは、ドラマはドラマ、現実は現実、所詮別物という考えは、通用しないらしい。
 それから、自分が子供のころは夜10時台のドラマは大人が見るもので子供が見るものではなかったと思うが、今は違うようだ。

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