短編集『ヘラクレスの冒険』を読んで、ポアロがフランス人と思われるのは、フランス名前のせいだと気付いた。山田太郎という名前を聞いたら日本人とわかるようなものだろう。
トミーとタペンスのタペンスが本名ではなく愛称だということを『秘密機関』を読んで知った。ただ、プルーデンスの本名からどうしてタペンスの愛称になるのかがわからない。本名からではなく本人の性格からきたものかもしれない。
タペンスの意味を調べると「2ペンス硬貨」だった。プルーデンスの方は「慎重に行動する」ということになるようだ。本人の性格とは真反対の名前だ。イギリス人なら本名を聞いてくすっと笑うところだろう。タペンスからイギリス人がどういう印象の人間を考えるのかは、わからない。推測すると2ペンスは小銭だから、そのへんによくあって、頻繁にやりとりされることから「庶民的」、「敏捷、すばしっこい(流通速度が早そうなお金から足が速いを連想)」というイメージだろうか。日本語を習いたての外国人は、逆にお金を御足ということがわからないかもしれない。
『秘密機関』の肝心の謎ときは、タペンスが2(ツー)ペンスであることを当然すぎるくらいに知っていることが前提になっている。
ポアロが英語の常套句を間違える記述は、注つきになるので、ダジャレを説明される様なもので、笑えない。日本語に訳しきれないところを説明しすぎるとネタばらしになってしまう場合は、訳者も大変だなと思う。
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