2014年2月26日水曜日

クリスティ文庫(22)

 『シタフォードの秘密』、近所付き合いで近隣の人たちを招き、ブリッジをしようとしたら、ブリッジをしない人がいたので、降霊会をしようということになる。
 解説を読むとイギリスでこの頃結構行われていたそうだ。それで、萩尾望都の『ポーの一族』の短編で降霊会をする話があったのを思い出した。
 ゲーム感覚で特別な人を招かずにするところは、子供の頃やっているのを見たことがある「こっくりさん」に似ている。ただ、「こっくりさん」は女の子がやるものというイメージだった。
 降霊会で参加者の友人が殺されるというメッセージが出たので、参加者の一人が不安になり、雪が降りそうな悪天候のなか、徒歩で友人宅に向かう。二時間以上も歩いて友人宅についたら友人が殺されていた。発見者にはアリバイがあることになる。
 読んでいき最後の方で、殺した友人をかついで被害者の自宅まで運んだらどうなのだろうと思った。殺害時刻直前に被害者の自宅で生きている被害者に会った甥の証言があるが、甥が本当のことを言っているのかどうかわからないと登場人物の一人が繰り返し言う。そして雑談のなかで「殺した後の死体の処理」が話題になる。結局、自分の思いつきは、はずれた。
 クリスティは最後の方で読者を間違った推理に向かわせるような記述を次々と出してくるが、自分の考えた間違えた推理も作者がわざとそれを狙ったのだろうか。だとすると、最後の犯人の意外性は少し損なわれるような気もする。

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