2014年2月17日月曜日

クリスティ文庫(18)

 戯曲『招かれざる客』、最後まで読んだが、犯人が誰かわからない。わからないという結論が正しいのかもわからない。
 人は嘘をつく場合もあり、確からしい事実だけから判断するとしたら、犯人は登場人物以外にいる可能性もあると思う。これだけは確かといえそうな事実は、誰でも外から入ってきて、被害者を銃で撃ち、去って行くことが可能だった、被害者は家族の知らない誰かに恨みを買っている可能性が高いということだ。
 推理小説やドラマを見ていると、犯人はどうしてそういう余計な小細工をするのだろうと思うことがある。その小細工が見破られたら言い逃れできなくなる。余計なことをしなければ、たとえ疑われたとしても有罪とできるだけの証拠を警察が手に入れることはできなかっただろうにと思う。
 作者の都合とも思うが、クリスティは他の小説で「犯人のうぬぼれ」と説明している。また、ポアロを見くびって、ポアロをわざわざ引きいれて偽の証拠の証人にしたてている場合もある。名探偵が見くびられることもないように思うのだが、年を取って老いぼれたと思われ、その名声だけを利用しようとしたらしい。

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