2014年2月13日木曜日

クリスティ文庫(15)

 トミーとタペンスの長編三作目『親指のうずき』、トミーの叔母が高齢者施設で亡くなり、二人で遺品を受け取りに行く。遺品の中に、運河沿いに建つ家を描いた風景画があり、タペンスはその家を見たことがあると思う。
 少し経ってから列車の窓から見たことを思い出す。その家を見たときに、後で近くでよく見ようと思い、最寄りの駅を覚えようとしたが、田舎の小駅がどんどん廃止されていた頃で、その家を見てから最初の駅に止まるまでの時間が三十分ほどだった。運河も今では使われていない。
 その風景画は、同じ施設の入居者から叔母がもらったものだったが、その入居者は、タペンスに謎の言葉を残し、行方不明。唯一の手掛かりとなった絵に描かれている家を探し出すことにする。
 自動車で探すことにするが、幹線道路から外れており、田舎の道の整備もなおざりにされているので、地図であたりをつけた場所になかなか行きつくことができない。
 自動車の時代になって、田舎の鉄道が縮小されたり、内陸の船舶輸送が廃止されるのは日本と変わらない。
 「大宮花の丘農林公苑」内の水路に跳ね橋がかかっている。遺構ではなく、雰囲気を出すための飾りなのだと思う。
 
 船の運航の遺構は、見沼通船堀にある。
 
 農業用水路が船の運航にも使われているところがヨーロッパと違うところだろう。農業用水路と排水路の役目をする川との水位を調節するための関だ。現在は年に一度当時の再現のために使用される。

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