『河岸に生きる人びと』の副題は「利根川水運の社会史」となっている。歴史上の有名人は出てこないと思っていたら、伊能忠敬が出てきた。
幕府が河岸を公認し、河岸問屋から運上金を払わせようとする。伊能忠敬のいた佐原は、運上金の支払いを避けるため、佐原に河岸はなく問屋はいないと幕府に回答する。すると役人から、今後は隣河岸問屋の送状で運送するようにと言われる。
それでは困るということで、やっぱり河岸問屋はいると答えたら証拠を出せと言われ、伊能忠敬が自宅の蔵を調べると、三代前の当主が整理した記録が出てきた。その記録のおかげで佐原河岸が幕府に認められることになった。
その記録は隠居後の約五年の間になされたもので、伊能忠敬は隠居後でも大事業ができるという驚きと衝撃を受ける。
伊能忠敬の測量が隠居後の仕事だとは知っていたが、こういう逸話があるのは知らなかった。佐原の人だということも知らず、なんとなく水戸と関係がある気がしていた。水戸黄門からの連想だと思う。
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