監督が有名なのにも関わらず、映画が上映された当時の記憶が全くなかった。
CDを見て、一番印象的な絵が、主人公が自宅に戻った時に、宿舎として使用していた日本兵が家から出てきたところだ。
小説でいうと132頁「そのとき人影がふたつ、玄関のポーチから歩み寄ってきた。白い衣を着て、腕から長い袖をたなびかせている。ジムは家に戻ってきていた母親が、客のひとりを見送っているところに違いないと思った。」「そして人影は、軍用キモノをはおった非番の日本軍兵士であることがわかった。」「キモノ姿の日本人が、風呂上がりを襲われた女性の一団のごとく、家から駆け出てくる。」
中から出てきた人間の白くて薄い衣の後ろから光が射して身体が透けて見える。ナイトガウンをまとった女性と思った瞬間、身体が男性で坊主頭であることに気付き、どきっとすると同時にぎょっとした。
主人公はアメリカ人の男性二人とトラックできていたが、家の中から出てきた白いキモノを着た大勢の男性に襲われる。長い袖をたなびかせてトラックを襲う姿も異様だ。
後からだんだんとその光景を見たことがあるような気がしてきた。テレビで映画のCMを流すが、それで見たのではないかと思う。確認することができないのが残念だ。
主人公は中国人に襲われ、助けてもらったアメリカ人にも邪魔にされ、生きていくには日本軍の庇護を受けるしかないと思い、日本軍に降伏して両親が収容されているはずの捕虜収容所に送られることを望んでいたのが、ここでようやっと願いがかなう。
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