ジャコバイトは、『誘拐されて』で知ったが、『バラントレイの若殿』でも出てくる。
ジャコバン党なら聞いたことがあると思ったが、それならフランス革命でフランスの話になるので、無関係だ。
ジャコバイトの乱は簡単に言うと、「1745年、名誉革命でイギリスを追われたジェイムズ二世の孫のチャーリー王子が王位継承を主張し、亡命先のフランスからイギリスに攻め込み、その際にスコットランドが王位を奪おうとする方に味方した」ということになる。ジェイムズ王(王位を奪おうとする方)対ジョージ王(現王)の対立だ。
『誘拐されて』を読んだ時には、登場人物がどちらの側の人間か混乱してしまった。王対謀反人や王対革命軍ならどっち側かわかりやすいが王対王なのが混乱の原因のように思う。
スコットランドの領主であるデューリー家は、兄弟のうち一人がチャーリー王子の側に参戦し、他方が家に残ることにする。
当主、兄の婚約者、弟は、弟が参戦し、兄が家に残るものと考えたが、兄が我を通して戦争に行く。
日本人には、薔薇戦争(『黒い矢』はこの時代)でもジャコバイトの乱でも誰対誰の争いで、それぞれ味方したのは誰かについてはなじみがない。そのなじみのなさがスティーヴンソンの小説の理解を妨げる。
ただ、イギリス人なら読んですぐに理解できるのかどうかは不明だ。
王対王という点では、日本で言うと南北朝時代のようなものだろうか。どっちが勝ったか思い出せない。結局、足利尊氏にもっていかれたという理解だ。
豊臣家対徳川家も、武将の名を聞いてもどっちの側の人間かは、よくわからない。勝ちそうな方に寝返ったものもいたから余計わからない。状況に合わせて味方する側を変更したところは薔薇戦争も同様のようだ。
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