2015年6月5日金曜日

幻の動物とその生息地

 ハリー・ポッターのスピンオフ映画が作られるというニュースを見て、どういうストーリーの映画になりそうか全然わからないので、『幻の動物とその生息地』を読んでみた。
 100頁の本で32頁から最後まで幻の動物についてアルファベット順に説明が続く。この部分は読んでいてだんだん退屈してくる。特に面白いエピソードやストーリーはない。
 魔法動物の定義のところは面白かった。人間の形に似ているが知性がない、動物の形態をしているが、知性がある、人間の形をし知性もあるが、現在生きていない場合、どう扱うか。
 SFで宇宙人とどう付き合うかという問題に近いような気がする。知的ゲームとしては面白いように思うが、映画のストーリーにはなりそうにない。
 主人公が幻の動物の発見と研究のために各地に出かけて冒険をする話になりそうだが、具体的なエピソードやストーリーは、全く新しくこれから考えだされるのだろうと思う。
 作者の才能を思うと期待できるが、ハリー・ポッターの本篇の四作目以降の映画を見た感想からは、わかりやすく見て楽しい映画になるか、少し心配でもある。
 最近、「トータル・リコール」の再映画化された映画を見て、前に作られた映画と出だし以外は、結構違っていたので、原作がどうなっているのか気になり、原作の小説を読んで驚いた。映画が原作どおりなのは、主人公が記憶を取り戻した直後襲われて、逃げ出すところまでで、その後原作の方はブラックユーモアで笑えるオチがついてすぐ終り、逃げ出した後の話は映画の創作ストーリーだった。どうりで前作と違うストーリーになるはずだ。
 映画が原作の設定だけ拝借するという点では同じことになりそうだ。
 エンデの「はてしない物語」の映画化は、第一部だけで終わってしまったのは残念だったが原作が長いのでそれも仕方ないと思った。原作のイメージとは違ったがアトレーユの美少年ぶりが気に入り、第二部を期待したが、時間が空きすぎて同じ少年で作ることができずがっかりした。ただ、原作の第二部は大人がじっくり読んでも理解するのがちょっと難しく、簡単にいうと空想にひたって、それに頼りきるのは危険だということになるかと思う。第二部の映画を撮ったとしても第一部のようにわかりやすいストーリーで、見て楽しい子供向けのファンタジー映画には、なりそうになかった。
 二作目以降の映画も見たが、ファルコンは前と違っておもしろいところもあったが、第一作のおもしろさには全然及ばないという感想だ。原作の内容とも違う。
 ハリー・ポッターの方は、同じ俳優が同じ役を演じるということで、かなり期待したが、正直言って裏目に出た気がする。原作の内容が映画化するには難しく、内容的にも楽しいファンタジー映画にはならず、むしろ暗くてつらいものだという点は共通しているように思う。
 ハリー・ポッターの本篇の方こそ、別の俳優に変えて、原作と全く違った内容で楽しいファンタジー映画にして欲しかったように思う。
 

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