やかまし村の子供たちの映画のDVを見た。直前に小説を読んだので、内容的に目新しいところはなかったが、夏の夜遅くまで外が明るいのを見て、「そうか、スウェーデンの話だから、これが白夜というものか」と思った。
小説の中で子供たちが夜中に家を抜け出す計画を立てるところがある。読んでいるときには真っ暗な外に出ていくのだと思っていたが、映画を見ると実際は昼間と同じくらい明るい外に出ていく話だった。
作者がスウェーデン人だから、小説の中には白夜の説明はない。当たり前のことだからわざわざ説明するまでもないということだろう。他にも作者がおかれている自然環境とこちらの自然環境が違い、作者の考えている状況と全く違う状況を思い描いていることがあるのだろうと思った。
渡辺淳一の自伝的小説「白夜」を読んだ。札幌の夏に白夜はないから、どうしてこの題名なのだろうと思う。医者の白衣の白のイメージだろうか。出てくる道内の地名がアルファベットの最初の一文字で表現されている。N温泉が登別温泉なのは間違いないが、K市は釧路かそれとも北見か、Y市は余市だろうか。余市町なので迷う。自分も札幌に長く住んでいたので、春になって一斉に花が咲き、関東なら順番に咲いていくところが、札幌だとほぼ同時に咲くところの描写はよくわかる。このことがわざわざ書くに値することだということは埼玉に数年住んでみてよくわかった。
日本で初めての心臓移植が行われた時に、作者がその病院にいたことを初めて知った。当時自分は子供だったが、手術が行われてから移植手術を受けた患者のことが連日報道され、一か月過ぎたころに成功してこれから長く生きるのではと思いかけたら、結局亡くなりがっかりしたのを思い出した。
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