2015年5月27日水曜日

法律専門家の使命

 論究ジュリスト2015年春号で憲法特集をやっている。今ホットな憲法問題は集団的自衛権だろう。
 学者の論文を読むと、昨年閣議決定で行使を認めている集団的自衛権は、これまで認めてきた個別的自衛権の範囲を超えるものではなく、それまでの政府見解を容認する立場からは、特に問題視するようなことではないらしい。
 「一般メディアの議論に流されずに、しっかりと法的理論を見極めるのが、法律専門家の使命であろう。」と締めくくられている。
 問題はそういうことではないように思う。今は集団的自衛権として、個別的自衛権の行使として認められることしか行わないとしても、集団的自衛権を認めることによって、将来的に集団的自衛権でできることを拡大していこうという思惑があることは自明だ。
 現在大丈夫で将来問題が起きたときに対処すればいいというだけでは、現実の世界を将来に向けてどうしていくかという問題には何の役にもたたないように思う。少なくても能動的ではなく受動的だ。
 結局、法律専門家の出る幕ではなく、政治家の仕事ということになるらしい。

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