2014年6月7日土曜日

ハリー・ポッター(6)

 ヴォルデモートの肉体が死んでも魂があの世にもいかず、ゴーストにもならずに現世にとどまり、再び肉体を取り戻せたのは、前もって魂を分割して、その魂を別の物体(分霊箱)に納めたからだ。
 魂を七分割し、一つはもともとの自分の体にあるので、分霊箱は六個ある。第二巻に出てくるトム・リドルの日記帳、トム・リドルの母の父が先祖から受け継いだ黒い石を嵌めた指環、トム・リドルの母が受け継いだホグワーツの創始者の一人のスリザリンのロケット、同じく創始者のハッフルパフのカップ、レイブンクローのティアラ(髪飾り)、蛇のナギニだ。
 ヴォルデモートを完全に滅ぼすためには、分霊箱をすべて壊してからヴォルデモートの肉体を死なせなければならない。
 分霊箱を蛇を残してすべて壊したあとで、ハリーの母親が死んだときにヴォルデモートの魂の一部がハリーの中に入り、ハリー自身が分霊箱になっていたことがわかる。ヴォルデモートを死なせるために、ハリーがヴォルデモートに殺されなければならない。ハリーはネビルに蛇を殺すことを頼み、ヴォルデモートの前に姿を現し、死ぬつもりでヴォルデモートの死の呪いを受ける。
 しかし、死んだのはハリーの中のヴォルデモートだけで、ヴォルデモートの部分を取り除いたハリーは生き残る。ヴォルデモートが身体を作る時にハリーの血を使用したが、ハリーの血の中には母親がハリーを守った力が残っていて、ヴォルデモートの中のハリーの血がハリーを死から守ったのだ。
 ネビルは、組分け帽子からグリフィンドールの剣を取り出し、その剣で蛇を殺す。ネビルとハリーの味方をハリーはヴォルデモートの死の呪いから守る。これは、ハリーが自分が死ぬことでみんなを守ろうとしたことから、ハリーの母親がハリーを守ったのと同じ魔法が働いたのだ。
 ハリーとヴォルデモートが対決して互いの杖から出た光線がぶつかり、ヴォルデモートの呪いが弾き飛ばされて自分自身にあたり、ヴォルデモートは死ぬ。普通の死と同様肉体が死に、魂はあの世にいったと思われる。
 ヴォルデモートの杖は弾き飛ばされて、ハリーの手の中に入る。ヴォルデモートは伝説の最強の杖を求めて手に入れたと思っていたが、杖が魔法使いを選び、杖はハリーを選んでいたのだ。
 最強の杖を手に入れるには、杖の所有者から奪わなければならないと考えられている。ダンブルドアが前の所有者から決闘によって手にいれ、ダンブルドアはスネウプに殺され、ヴォルデモートがスネウプを殺したので、ヴォルデモートは自分が杖の所有者だと思っていた。
 ところが、ダンブルドアはスネウプに殺される前にドラコに杖を弾き飛ばされているうえに、スネウプに殺されることを望んでいた。また、スネウプはドラコの代わりにダンブルドアを殺した。このうちどれが決定的原因かはわからない。ハリーはドラコ自身の杖を奪ったので、最強の杖は、ハリーを選んだのだ。
 伝説では三人兄弟の長男が最強の杖、二男が死者をよみがえらせる石、三男が姿を消すマントを死神から貰ったとされている。死神から貰ったというところはお伽噺だとしても魔法の杖、石、マントを作ったのは本当のことのようだ。死者をよみがえらせる石は、分霊箱に使われた指環の石だったが、効力は、生身の体を持たないが、ゴーストよりは実体のあるものを呼び出すだけで、呼び出された者は、石を持っている者にしか見えず、石を手から離すと消滅する。会話はできるので降霊術のようなものだ。
 最初に読んだ時には、ハリーは一度死んで死者をよみがえらせる石によって生き返ったのかと思った。改めてじっくり読むとそもそも死んでいないとはっきり書いてある。どうして死ななかったのか、なぜ、ハリーは自分が死ななければならないし、死ぬだろうと思わなければならなかったのかが、改めてじっくり読むことでわかった。映画は最後の最後は見ていないが、多分見ても全部を理解できなかったろうと思う。
 いろいろなことをハリーは教えてもらえない。読者に秘密にしておく必要があるのだろうが、どうして秘密にしなければならないのか、納得のいく説明を用意するのは大変だったろうと思う。
 推理小説で探偵がなかなか推理したことを話さないのと同じ理由にすることができないので作者も大変だ。
 死者と会話できる石は禁断の森に転がしたままで、最強の杖はダンブルドアの墓に戻し、姿を隠すマントはハリーが持っているので、まだ何か起こる可能性はある。十九年の間、ハリーの傷は傷まず平和だとハリーは思っているが、ハリーの中のヴォルデモートの魂は消失(あるいはあの世にいった)と思われるので、仮に石を拾ったものがヴォルデモートの魂を呼び出して話をして悪影響を受けても、ハリーが気づくことはないように思う。
 ハリーの子供たちは伝説の英雄の子供として、大変なことがいろいろありそうだ。続編を書く要素はたくさんあるように思う。十九年後を最終章にしたのは、少なくとも十九年は続編を書かないぞという宣言かもしれない。

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